冬季における寒冷環境では、睡眠中に暖房を常時
使用しない人が多く、極めて不適切な温・湿度環境で就眠しています。そこで良好な睡眠を確保するために、適切な寝具による寝床内気候の調整が有効であると考えました。寝具に関する実験は、その数も少なく、大部分が実験室内で若年者を対象としたものであり、フィールドでの睡眠を対象としたものは、知られておりません。
そこで、イワタでは、自宅で中高年者を対象に、適切に調整された寝具が、寝床内気候と睡眠に及ぼす効果を検討するために、終夜睡眠時の寝床内気候と睡眠内容について、対象者が選択し、普段から慣れ親しんでいる従来の寝具を使用した条件と比較検討を行いました。

日本人は世界的に見ても極端に睡眠時間が短いと言われています。特に大学生の平均睡眠時間は世界で最も短く、加えて生活習慣も不規則です。睡眠短縮による睡眠不足は心身のみならず、脳機能にも影響を与えており、注意・学習機能の低下(Bonnet,1994)、集中力・意欲などの低下につながることが指摘されています(Drake,et al.,2001)。また、大学生の蓄積的疲労感に影響を及ぼす生活習慣として、睡眠時間や朝食摂取の規則性が報告されています(高倉、1992)。特に、疲労の身体的側面には、睡眠時間が関連しており、充分な睡眠をとることが身体的疲労を回復させると言われています。
睡眠に影響を及ぼす要因のひとつとして、温熱があげられます。特に、蒸し暑い夏季の日本の気候は睡眠中の寝苦しさを引き起こします。これは誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
