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寝ごこち科学研究所

本麻パッド「褥(しとね)」モニター調査

asaimage睡眠に影響を及ぼす要因のひとつとして、温熱があげられます。特に、蒸し暑い夏季の日本の気候は睡眠中の寝苦しさを引き起こします。これは誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。

敷き布団と掛け布団の間にできる空間の温度と湿度を「寝床内気候」と呼びます。各季節に置いて、この「寝床内温度」と「寝床内湿度」を比較した研究(1974、宮沢ら)では、その温度では季節間に差は見られなかった一方、「寝床内湿度」が他の季節に比べ夏では80%を超えるという報告もあります。

そこで、夏季の寝床内湿度に着目し、水分を吸収・発散する素材を敷き寝具に使用することで、眠りに対する満足度に変化があるかどうかを調査することを目的に、モニターアンケートを実施しました。

対象

  • 商品のモニター希望者をHP上で募集し、応募者848名の中から無作為に25名を選出した後、製品とアンケートを送付し、アンケートの返送があった22名(男性11名、女性11名、平均年齢41.5歳)を対象としました。

方法

2007年7月~8月の夏季に各対象者の自宅にて調査。

  1. 普段対象者が夏季に使用している敷き寝具(C条件)
  2. 吸湿・放湿に優れた敷き寝具(I条件)

  →敷き寝具:本麻パッド...詳細はこちら
  →シーツ  :麻シーツ

①②の2条件を設定し、各参加者の自宅にて寝ごこちや肌触りなどがどのように違うかをアンケートを用いて比較検討しました。

結果

麻パッド・シーツを使用したときの肌触りについては、「良い」「まあまあ良い」と半数以上が回答していました(※図1)。

fig1

また麻使用時の寝ごこちについては、「良い」「まあまあ良い」と回答した人の割合は95.2%でした(図2)。

fig2

麻使用時の「背中の蒸れ感」については、「感じない」「ほとんど感じない」と回答した人は81.8%でした(図3)。

fig3

麻パッド・麻シーツ使用時の睡眠中の満足度については、「満足」「まあまあ満足」と回答した人は95.4%とほとんどのモニター体験者が満足していることが分かりました(図4)。

fig4

今後も麻パッド・麻シーツを使用したいかという問いには、90.9%の人が「思う」「少し思う」と回答していました(図5)。

fig5

次に、普段の寝具(C条件)と麻パッド・麻シーツ(I条件)の比較について検討しました。
普段の寝具と麻寝具を比較したとき、「肌触り」は77.3%の人が「麻の方が良い」「麻の方が少し良い」と回答しました(図6)。

fig6

 「寝ごこち」の比較では、「麻の方が良い」「麻の方が少し良い」と回答した人は86.4%と半数以上でした(図7)。

fig7

「蒸れ感」では、「麻の方が蒸れない」「麻の方が少し蒸れない」と回答した人は81.8%でした(図8)。

fig8

麻と普段の寝具使用時の「睡眠への満足度」を比較した結果、「麻の方が満足」「麻の方が少し満足」と回答した人は77.3%でした(図9)。

fig9

以上のアンケート結果から、麻パッドと麻シーツを使用したときの方が背中の蒸れは軽減し、睡眠に対する満足度も高くなっていたことが分かりました。

次に、C条件→I条件→C条件と条件を変化させたときの睡眠の状態について、アンケート調査しました。その結果を紹介します。下記グラフは、得点が高い方が良好であったことを示しています。

「寝付きの状態」は、最初のC条件で72点だったのが、麻を使用すると84.4点まで得点が上昇し(p<.01)、良好と感じていたことが分かりました。その後、またC条件の寝具に変更すると、「寝付きの状態」は78点まで減少していました(p<.05)。このことから、麻パッド・麻シーツを使用することで、背中の不快感が軽減され、「寝付き」をよくした可能性が考えられました(図10)。

fig10

「睡眠中の状態」についてみてみると、最初のC条件では67.4点だったのが、麻を使用すると83.9点まで得点が高くなっていました(p<.001)。その後、またC条件の寝具に変更すると「熟睡の状態」は75.2点まで下がっていました(p<.05)。このことから、麻寝具を使用した方が夏季においてぐっすると眠ることができたと考えられます(図11)。

fig11

「朝の気分」について比較した結果、C条件では59.3点だったのが、I条件では82.1点まで得点が増加し(p<.001)、朝の気分が良好になっていることが分かりました。また、C条件に戻したところ得点は72.4点まで下がりました(p<.001)。これは、麻寝具を使用したことにより夜ぐっすり眠ることができ、その結果朝の気分も良好になったのではないかと考えられます(図12)。

fig12

日中の覚醒度をみるために「頭のさえ具合」について検討した結果、C条件では72.3点だったのがI条件では78.9点と得点が増加していました(p<.05)。再度C条件に変更したときは74.1点という結果でした。このことから、夜ぐっすり眠ったことにより日中の覚醒度もあがった可能性が示唆されました(図13)。

fig13

以上のことから、麻パッド・麻シーツを使用したとき、「肌触り」「寝ごこち」「蒸れ感」「睡眠満足度」のどの項目においても半数以上が良いと感じていることが分かりました。つまり、麻の素材に対する抵抗も少なく、対象者にとって麻は使用感の良い素材であったと言えます。

麻を使用した後、普段の寝具での就床を求めましたが、麻の方が良かったと感じている人の割合が多かったことから、いつも使用している慣れ親しんだ寝具より吸湿・発散性に優れた麻寝具の方が良好と感じていることが分かります。

使用感だでなく、普段の寝具と麻寝具使用時の睡眠状態を比較すると、麻使用時の方が良好であるという結果でした。このことから、敷き寝具の素材をかえるだけで、睡眠感の向上につながることが示唆されました。

※本調査の内容を無断で転載しないでください。

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